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【特集インタビュー フェムテックプレス・スクープ】
どんな日の自分も自分。前向きな新しい人生の始まりに寄り添いたい。

フェムテックプレス編集部

2024.02.14 17:06

ビジネスにアイデアをひとさじプラス———。
「フェムテックプレス」掲載のプレスリリースから、フェムテック・フェムケア業界の
トレンドワードをキャッチアップし、企業担当者にインタビューします。

Vol.09_01のキーワードは「日本初※、月経前の女性に寄り添うサプリメント」。

「菌ミライへ行こう。」をスローガンに掲げ、菌のチカラの無限の可能性を信じ、そのチカラを活かした商品やサービスを展開しているのが、アサヒグループ食品株式会社の通信販売ブランド「カルピス健康通販」です。
フェムテックプレスでは、今回は2回にわたり、女性の健康に寄り添う2つの商品ブランドについてご紹介します。

前編となるvol.09_01は、1月25日に発売されたばかりのアサヒグループ独自の乳酸菌「CP2305ガセリ菌」を配合した、フェムケア商品『わたしプロローグ』についてのインタビューです。
健康な女性の月経前の一時的な晴れない気分の軽減を訴求する機能性表示食品は、日本初(自社調べ)とのこと。社内商品開発プロジェクトを牽引してきた藤澤さんを中心に、岩崎部長、大野さんに開発の背景や商品への想いなどについてお話を伺いました。

※自社調べ(2023年12月)

【Profile】
アサヒグループ食品株式会社
コンシューマ事業本部
ダイレクトマーケティング部
(右)岩崎琢也 部長
(中央)大野直 主任
(左)藤澤侑衣 課長補佐

【INDEX】

●日本初の商品開発に2年。機能性表示食品の届出から受理までは苦労の連続。
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●空を見上げると前向きな気分になれるように、晴れない気分が晴れたらうれしい。
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●女性の健康についての知識や理解度を、社会全体で上げていきたい。
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日本初の商品開発に2年。機能性表示食品の届出から受理までは苦労の連続。

—— はじめに、御社の事業についてお聞かせください。

岩崎さん:アサヒグループ食品は、アサヒグループのなかでの食品事業を担っています。ベビーからシニアまであらゆるお客様の生活に寄り添う商品を取り扱っているのが特徴です。
私たちが所属するダイレクトマーケティング部には、2つの事業があり、その1つがアサヒカルピスウェルネスショップ「カルピス健康通販」になります。
乳酸菌飲料でおなじみの「カルピス®」ブランドは、健康に対する意識がとても強く、その精神を受け継いで、これまで菌の無限の可能性を信じ、心と体の健康に寄り添っていくための菌の研究を続けてきました。研究成果が発表できるようになり、その独自素材や発酵技術を活用したサプリメントを販売しているのが、私たちの事業です。

—— 1月25日に発売された「わたしプロローグ」は、“日本初”となる月経に関する機能性を訴求した機能性表示食品とのことですが、この商品の開発背景について教えてください。

岩崎さん:アサヒグループ独自の乳酸菌「CP2305ガセリ菌」は、カルピス®の研究に由来する乳酸菌で、メンタル面のサポートをする乳酸菌として、日々の精神的ストレス緩和や睡眠の質の向上、腸内環境の改善に役立つことが報告されました。それらの機能を活かして開発されたのが、すでに発売をしている「ココカラケア」というサプリメントです。
さらに、女性の健康課題にもCP2305ガセリ菌が貢献できないかと考え、徳島大学と長年研究を進めてきました。そのなかで女性ホルモンの分泌量にも影響すること、メンタル面での月経前の一時的な変化に役立つことがわかってきました。乳酸菌CP2305ガセリ菌が、女性の健康課題の緩和に役立つ可能性があることがわかり、そこで初めてフェムケアブランドの開発に着手したのが開発の背景になります。

藤澤さん:「脳腸相関」というメカニズムに着目して開発されています。腸内の状態が脳の機能へも影響を及ぼすと考えられており、脳と腸が影響を及ぼしあうことによってホルモンバランスにも関与するのではないか、との考えに至りました。
この考え方であれば、女性の悩みを解決するかもしれないという気づきから始まり、2年の開発期間をかけてようやく発売となりました。

一日の摂取目安量である2粒当たり、乳酸菌CP2305ガセリ菌が100億個配合。

—— 月経に関する機能性訴求のなかに、一時的な「晴れない気分」という表示があります。とても変わった表現ですね。

届出表示の機能に関する表現は、研究部門の方とも一緒になって考えて、本当に苦労しました。(藤澤さん)

藤澤さん:機能性表示食品ですので、医薬品と誤認を招くような表現は使えません。英語論文の評価項目を日本語にして届出表示を作成したのですが、いくつかの表現が機能性表示食品としては適切でないとのことで差し戻しになりました。
自分が月経前ってどんな気分になっているのかを考え、モヤモヤなんだけども、モヤモヤという表示が入っているのはおかしいし。届出表示に入っていて自分向けの商品だとわかること、ネガティブな表現ではないもの、あまり堅苦しくないものがいいなと思いました。

いろんな方向から考えた案を絞っていったなかにあった「晴れない気分」っていいんじゃないかと。
一時的な「晴れない気分」「精神的疲労感」「眠気」を軽減する3つの機能で届出が受理となりましたが、結果的には受理までに約1年の期間を要することになりました。

大野さん:「わたしプロローグ」は、私たちにとっても初めての領域で、すごくチャレンジングな商品でした。発売までには長い期間を要しましたが、社内外のさまざまな方々にご協力をいただきながら、ようやくここまできました。

空を見上げると前向きな気分になれるように、晴れない気分が晴れたらうれしい。

—— 商品を開発するうえでネーミングは欠かせません。「わたしプロローグ」という商品名は、一言で表すと“エモい”ですよね。情緒があって、その意味を考えてしまうというか。こだわりを感じるネーミングはどのように生まれたのでしょうか。

藤澤さん:確かに気になる名前ですよね。名前を聞いただけではサプリメントとは思わない方や、どんな商品なんだろうと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

名前を考えている時に、世の中にはいろいろな商品があるけれども、この商品を選ぶ理由って何だろうという話になりました。生理や生理前の期間は、体調やメンタル面でバランスを崩す女性が多くいらっしゃるかと思います。イライラしてしまう自分が嫌いになって、また落ち込んでしまう。そんな悪循環に陥ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
寝て忘れる、食べて忘れる、なんてことも聞きますが、根本的な解決にはなっていないですよね。ちょっと調子がでない自分自身も自分の一部であると受け入れることで、気が楽になり、より毎日を過ごしやすくなるのではないかなと思っています。

この商品との出合いをきっかけに、自分のことをより好きになってもらい、大事にしてもらいたい。自分自身を知ってもらう始まりにしてほしい、そんな想いを込めて「わたしプロローグ」という商品名にしました。

—— 朝焼けや夕焼けの空を連想させるパッケージには、どんな想いが込められているのでしょうか。

空のグラデーションにはものすごくこだわりました。またパッケージも、やさしくてあたたかみが感じられる素材を選びました。(藤澤さん)

藤澤さん:「晴れ」という文字が空のコンセプトとマッチしているので、すごくよい表現が見つかったなとチーム内でも話をしていました。
つらいときに私もよく空を見上げるんですけれども、夜空であれば月がでているなとか、月を見つけられてラッキーみたいな。朝であれば今日は天気がいいな、雲がないな、なんて。それだけでも気分が変わる、前向きな気持ちになれるので、この商品もそういう気持ちを感じてもらえるといいなと思っています。

いつでも寄り添っていたいという想いがあり、いつでも好きなときに飲んでもらいたくて、バッグに入れて持ち運んでもはずかしくないようなデザインを目指しました。

岩崎さん:じつは、パッケージデザインを見た社内の意見に「どんな機能があるのかわからない」という声があったんです。でもそこは、藤澤の意見を最優先にしました。

藤澤さん:パッケージに大きく書かなくても女性はわかります、こういう雰囲気のほうが好まれる傾向にあるという想いを伝えても、そのニュアンスが理解してもらえず。社内アンケートを取ったりしながら、何とか理解してもらう工夫をしました。

大野さん:店頭に並ぶ商品でしたら機能が明確にわかるほうがいいとは思いますが、我々は通販で商品情報を一緒に提供することができるという点は大きかったと思います。

—— お話を聞くほどに、初めての取り組み尽くしですね。まだ他にもあるのでしょうか。

藤澤さん:はい、商品と一緒についてくるブランドブックが、文庫本サイズで200ページあります。通販の良さを活かしたいと思って考えました。開いていただくと商品の説明のほかに、日記やジャーナリングができるページを用意しています。好きに使ってもらえるように、あえて線を引いたり、枠を決めたりしていません。手に取った方が好きなように自分と向き合えるツールになればいいなと思っています。

居心地のよいわたしの部屋に置かれた文庫本サイズのブランドブック(新商品発表会にて)

また、寄り添いを大切にしていきたいと考えていますので、定期でご購入されるお客様に向け、さまざまな寄り添いツールを用意しています。

女性の健康についての知識や理解度を、社会全体で上げていきたい。

——月経に関する商品ですが、プロジェクトメンバー内でのやりとりで苦労した点はありますか。

藤澤さん:チームは3名で、リーダーは男性です。パッケージデザインでもお話ししましたが、女性だったら言わなくてわかることを説明しなくてはならないのが大変でした。言葉にすることに抵抗があるのですが、言わないと伝わらないので。わからなくて当たり前な部分を、そういうものだと受け入れてくれたのはありがたいなと思いました。

岩崎さん:商品開発のメンバーは、女性だけで「閉じないほうがいい」と。私自身すごく思っているのは、我々がこの商品を発売する意味ってなんだろうと考えたときに、商品を通して女性の健康についての知識や理解度を社会全体で上げていく、そのきっかけを担える存在になってもらいたいなと。
我々の社内のなかでも、女性に対する取り組みは少しずつしていますが、なかなか理解がないという状況です。

開発当時は正直社内で大変苦戦しましたが、丁寧に説明をしていくことで徐々に理解を得ることができました。(岩崎さん)

経営陣と話をしていると「この手の話はわからないんだよ」と言われます。でも「わからない」と言ってもらえることによって、「ではわかる機会を作りましょう」と一歩前に進むことができます。
今後は社内やグループ各社で、性別特有の健康課題について知識を深める施策や福利厚生などの展開を考えています。

——最後に、どんな方に手に取ってもらい、寄り添っていきたいですか。

ショートムービーのようなブランドサイト。
https://www.calpis-shop.jp/c/lp_watapro_01/

藤澤さん:商品のメインターゲットは20~30代の女性です。職場環境や生活環境で変化や負担が増えていく年代で、自分の体調が崩れていても休みづらい時期でもあります。できれば薬には頼りたくない方も多いと思います。腸から健康になることで心と体のバランスが整っていくことが大切です。
「この商品、絶対いいからぜひ!」というような押しつけではなく、この商品があると気持ちが楽になる、気持ちが落ち着く、気づいたらいつもそばにいる存在になってくれたらいいなと思っています。

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次回vol.09_02は、アサヒグループ食品株式会社の機能性表示食品「骨こつケア」をご紹介します。
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【Company Data】

アサヒグループ食品株式会社は、『私たちは「おいしさ+α」を追求し、「心とからだの健やかさ」の実現に貢献する企業を目指します』を掲げ、菓子、健康食品、サプリメント、乳幼児用粉ミルク、ベビーフード、介護食品・用品、フリーズドライ食品、食品原料などの際立ったおいしさと特徴を持つ商品ラインアップを通じて、さまざまな社会課題を解決し、お客様の心とからだの健やかさの実現に貢献します。

【関連プレスリリース情報】

■ 『わたしプロローグ』 2024年1月25日発売
https://femtechpress.jp/15655/

「カルピス」はアサヒ飲料(株)の登録商標です。

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