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【特集インタビュー フェムテックプレス・スクープ】
「わたしをもっと自由に」。乳酸菌の働きを味方に
女性特有のフェムゾーンの悩みに寄り添っていきたい。

わかもと製薬株式会社

2023.12.25 14:00

ビジネスにアイデアをひとさじプラス———。
「フェムテックプレス」掲載のプレスリリースから、フェムテック・フェムケア業界の
トレンドワードをキャッチアップし、企業担当者にインタビューします。

Vol.07のキーワードは「フェムゾーンケアを乳酸菌でサポート」。

「強力わかもと®」でおなじみのわかもと製薬が、今年4月に初の女性専用セルフケアブランド「フェミフローラ®」を誕生させ、フェムテック市場に参入しました。
そのきっかけとなったのは、乳酸菌の研究を行っている女性社員の声だったそうです。
開発から2年という歳月を経て、乳酸菌サプリメント「フェミフローラN」、デリケート部位専用ソープ「フェミフローラ・デリケートソープ」とケアシート「フェミフローライン・デリケートケアシート」を発売開始。その5ヵ月後に、社内プロジェクトチームが発足しました。
プロジェクトチームのリーダーでもあり、発起人でもある冨永さんに商品開発の背景、プロジェクトチームを立ち上げた理由、商品を通じて発信していきたいことなどについて、お話をお伺いしました。

【Profile】
わかもと製薬株式会社
通販営業部
冨永千絵さん

【INDEX】

● 人には相談しづらいフェムゾーンのお悩みを乳酸菌でケアサポート。
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● 社内のフェムテックに対する意識改革をして、社員がより働きやすい職場に。
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● 女性特有の健康課題を、もっと自由に話せる世の中を目指して。
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● 女性一人ひとりが健康をケアしながら、前向きに人生を歩んでいけるように。

人には相談しづらいフェムゾーンのお悩みを乳酸菌でケアサポート。

—— わかもと製薬初のフェムテックブランド「フェミフローラ®」の開発背景についてお聞かせください。

当社は乳酸菌の研究を得意としており、1955年からの68年間、独自の乳酸菌技術を活かした様々な商品を生み出してきました。これまで“女性のための商品”というものがなく、今から2年ほど前、「人に相談できない、女性のお悩みに寄り添える商品を開発できないか?」という女性社員の声から、フェムケアに特化した商品の開発が始まったと聞いています。

—— 乳酸菌といえば腸内環境改善というイメージですが、フェムゾーンケアにも乳酸菌が活かせると気づかれたのでしょうか。

おなかの中にいる善玉菌と悪玉菌。ストレス等によって引き起こされる便秘や下痢は、腸内フローラのバランスの乱れが原因で、その乱れを改善するために乳酸菌を補給することが大切ということは、多くの方がご存じだと思います。
腸内と同じくフェムゾーンにも善玉菌と悪玉菌が存在していて、ストレスや生活習慣の乱れによって、悪玉菌が増えるとニオイやかゆみなどの原因になってしまいます。

「フェミフローラN」には、女性のために開発された乳酸菌UREX®と女性のカラダにうれしい葉酸を配合。

フェムゾーンの乳酸菌に着目したフェムケア製品の中には、「フェミフローラN」があります。膣内フローラの健やかにサポートすることを目的として開発された、膣内に長く滞在する乳酸菌を採用しています。フェムゾーンのケアというと難しそうと思われがちですが、フェミフローラNは1日2粒目安に摂取していただくだけでフェムゾーンに乳酸菌を補給でき、簡単にケアすることができます。

—— 膣内環境ケアでも乳酸菌が活躍しているとは(驚)。初のフェムケア商品について社内からはどんな声や反応がありましたか。

当初、男性社員からは「フェムゾーンにいい乳酸菌って?」「この商品、本当に売れるの?」という声はありました。「フェムテック・フェムケアってそもそも何?」という社員が多かったです。
恥ずかしながら私も、この事業に携わるまでフェムテックの意味や意義を理解できていなかったのですが、勉強していくうちにフェムテックの認知を広げることは、女性がより明るく自分らしい人生を歩んでいくために重要であることに気づきました。

実際にお客様の声を聞いてみても、フェムテック・フェムケアといった商品認知があまりなかったので、フェミフローラ®を通して明るく元気に過ごしてもらうことを目指すためには、フェムケアを知っていただく必要がある、啓蒙活動が必要だということがわかり、プロジェクトを立ち上げることになりました。

社内のフェムテックに対する意識改革をして、社員がより働きやすい職場に。

—— 冨永さんがフェムテックプロジェクトの発起人とのことですが、個人的にも何か想いがあったのでしょうか。

私には妹がいるのですが、生理痛が重く、辛そうな様子をずっとそばで見てきました。これからあと数十年、毎月こんな辛い思いをして我慢し続けていかないとならないのか?と疑問に感じ、社内にももしかしたら生理痛をはじめとする女性特有の健康課題に悩んでいる人がいるのではないか。まずは社内のフェムテックに対する意識改革をして、社員がより働きやすい職場になればと思い、フェムテックプロジェクトを立ち上げました。

—— フェムテックという言葉が浸透していない社内や社員の方々に向けて、どのようにプロジェクトのメンバーを集められたのでしょうか。

まずは上長に相談し、計画やスケジュールをしっかり立てた上で社長に提案しました。本社、支店、工場・研究所に勤めている全国の社員に向けて、フェムテックに対する私の想いをメールで発信しました。
部署や性別・年齢は問わずプロジェクトの発足に賛同いただける方を募り、現在男性4名、女性10名の計14名で活動しています。

最初の顔合わせでは、このプロジェクトに参加した理由、意気込みを皆さんに語ってもらいました。
なかでも驚いたのは、60代の男性社員が「最近女の子の孫が生まれて、フェムテックという言葉を広げていくことで、孫がより生きやすい世の中になっていくのではないかと。だからこのプロジェクトに参加していろんなことを勉強したい」という理由で加わってくれたことでした。

女性メンバーは、自分自身が婦人科系の病気で病院に通っているという方が多かったです。やはりそういう女性特有の悩みを抱えている人は多いんだなと、思いましたね。

—— 立ち上げてみて気づいたことやメンバー間で大切にしていることは。

まだプロジェクトが立ち上がって2ヵ月ほどなのですが、自分には関係ないことだと思っている男性にどうアプローチしたら興味を持ってもらえるか?また、同じ女性でも生理痛をほとんど感じない方もおり、自分事としてとらえてもらえないことが難しいと感じています。
メンバー間で大切にしていることは、当たり前のことかもしれませんが、メンバーの意見を否定しないよう心掛けています。フェムテックにはまだ明確な定義がなくこれが正解だというものがありませんので、メンバーから出た意見は否定せず尊重するようにしています。

—— プロジェクト活動として、プレスリリースも積極的に配信されていますよね。

「デリケートゾーンのケアは何をしている?ケア用品を購入する際は何を重視しているの?」アンケート調査より

フェムゾーンは生理や妊娠、出産などに関わる大切な部位なのにもかかわらず、日本人女性の大半は自分のフェムゾーンを見たことがない、悩んでいるけどケアはほとんどしていないといった方が多い印象です。
フランスではフェムゾーンは第二の顔といわれるほど、意識高くケアされていますが、日本ではまだデリケートなお悩みを人に相談することは「恥ずかしい」、「我慢するもの」とタブー視されている傾向にあるので、PR活動を通してその常識を変えていきたいと思っています。

女性特有の健康課題を、もっと自由に話せる世の中を目指して。

—— フェムテックブランド「フェミフローラ®」「フェミフローライン®」について、コンセプトや商品企画について教えてください。

「わたしをもっと自由に」をコンセプトとしています。
日本ではまだデリケートなお悩みを人に相談することは「恥ずかしい」、「我慢するもの」とタブー視されている印象なので、女性特有の健康課題をもっと自由に話せる世の中にしていきたいと考えています。そして、当社の商品を通して自信を持っていただいて、自分のことをより愛してあげられる女性が増えていくよう、日々研究し続けています。

「フェミフローラ®」ブランドサイトより

研究・開発部門だけで商品をつくりあげるのではなく、営業部門も開発会議に参加しています。この商品を開発することでお客様にとってどんなメリットがあるのか?といったお客様のニーズやお悩みを研究・開発部門に伝えて、商品に落とし込んでいけるよう努めています。

—— パッケージデザインはシンプルながらもキラッとしていて素敵ですね。

お客様からは「以前から悩んでいたデリケートなお悩みが気にならなくなった」「パッケージが可愛いので職場にも持っていける」といったうれしいお声がありました。

パッケージのデザインにはこだわりました。「フェミフローラN」の他にもデリケート部位専用ソープとケアシートもあり、製薬会社としてどの商品も成分や品質にとてもこだわって開発してきました。
私たち開発側の想いとしては、成分や特徴などを全面に出したパッケージにしたかったのですが、フェムケア商品においては家族や他人に気づかれたくないといったお客様が多く、パッケージはシンプルに、デリケートケア商品だとわからないようにしました。

女性一人ひとりが健康をケアしながら、前向きに人生を歩んでいけるように。

——「フェミフローラ®」の今後の展開についてお聞かせください。

「フェミフローラ®」を通して、フェムケアの重要性をどんどん発信していきたいです。
デリケートなお悩みは我慢することが当たり前、人に相談することは恥ずかしいという世の常識を変えていくことで、女性一人ひとりが自身の健康をケアしながら前向きに人生を歩んでいけるようサポートしていきたいと考えています。

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【Company Data】

1929年「若素(わかもと)」の発売とともに、セルフメディケーションの先駆的企業としてスタートして以来、医薬事業、ヘルスケア事業、国際事業の3事業を展開。特に乳酸菌の研究を得意としており、1955年からの68年間、独自の乳酸菌技術を活かした様々な商品を生み出しています。

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