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【イベントレポート:株式会社ポーラ様】<後編>「生理の話をタブーにしないために」。現役大学生男女15人と吸水ショーツ開発者がディスカッション。

フェムテックプレス編集部

2024.08.13 12:44

6月25日に日本女子体育大学(東京都世田谷区)で開催された、「タブーを自由にラボ」(共同主催:株式会社ポーラ/日本女子体育大学、アドバイザー:fermata株式会社)。

2024年5月~8月にかけて、計4回開催する同ラボの2回目となる今回は、吸水ショーツブランドOPT(オプト)の開発者である、株式会社Rebolt(レボルト)の内山穂南さんと下山田志帆さん、株式会社ポーラの西澤美紀さんをパネリストとして迎え、フェムケアに興味がある現役大学生15人が参加しました。

【目次】後編では3・4をご紹介。

1 「タブーを自由にラボ」とは。


2 信念と熱意から生まれた「吸水ショーツ」。


3 「生理の話」をタブーにしないために。自分が、大学が、今できることは。


4 「声に出して伝えていくこと」が大切。


3 「生理の話」をタブーにしないために。自分が、大学が、今できることは。

吸水ショーツ開発の経緯や商品を取り巻く市場についてインプットをした後は、いよいよ、学生たちによるグループワークの時間です。
参加した学生たちは3グループに分かれ、吸水ショーツについてのディスカッションから始めました。

吸水ショーツは“高齢者向け”。名前やCMのイメージから“尿漏れを防ぐ”商品。

「吸水ショーツがサニタリー用だとは知らなかった」という意見から、「若年層も使える商材だとは知らなかった」「名前くらいは」「こんなに便利なものがあるならばもっと早く知りたかった」など、思い思いの意見が出てきた後、吸水ショーツのメリットについて「経済的な負担が減る」「生理用ナプキンポーチが不要」「生理前の準備に」などといった意見が上がりました。

吸水ショーツを若い世代の女性に広めるためには。

同席していたラボスタッフから「若い世代の子に使ってもらうためには」という質問が投げかけられ、「学校や修学旅行など、友人にバレたくない時には使いたい」「初めて生理についての教育で教えてもらったらうれしい」「手段のひとつとして、生理用ナプキンと吸水ショーツの選択肢があったらいいのでは?」など、今すぐにでも取り入れることができそうな意見が出ました。

また、下山田さんから「吸水ショーツが若者向けではないと思った理由について」を聞かれると、「吸水ショーツという名前やCMでシニアな方が出ているのを見ていて、“尿漏れを防ぐもの”というイメージがついてしまっている」との意見があり、他の学生たちも賛同していました。

どんな見え方や見せ方になった時に、“自分にも関係するものだと思えそうか“と、下山田さんが質問を重ねたところ「吸水ショーツのモデルが、自分たち世代であれば」という意見があり、その考えを聞いた下山田さんは「(吸水ショーツの認知が)まだ広がっていないんだな」と感想を述べていました。

思いつくままにペンを走らせる、考えをめぐらせながら書き綴るなど、アイデア出しに集中。

「生理に関する話をタブーにしないために、何ができる?」というテーマに移り、まずは「今、自分ができること」「大学ができること」についての5分間の個人ワークに。
思いつくままにペンを走らせる学生、考えをめぐらせながら書き綴る学生など、アイデア出しに集中していました。

ディスカッションで発表された、学生たちが考える「今、できること」とは!?

● 学びの場をつくる ●
・日本の性教育が遅れている。性についての教育を男女一緒に行う。
・知識を広げることが一番大事。知らないとかかわり方もわからなくなってしまう。
・困っている人をサポートできるような意思表示ができるものを身につける。

● 話せる場をつくる ●
・知識を得ることで不安が少なくなるので、大人数が参加できる話せる場があるといい。
・匿名性のコミュニティがあったらうれしい。大学ならば自分と近い悩みを持っている人に出会える確率も上がるし、情報へのアクセスもしやすい。
・生理に限らずジェンダーなどタブー視されていることを話せるコミュニティづくりを、自分から行っていきたい。
・定期的に話せる場所があると安心できて、男子も入れるような環境があるとより良い。
・タブーの解消は、だれかに話すことが第一歩。一人でもいいから信頼できる人を見つけることが大事だと伝えたい。

● 環境や風土をつくる ●
・大学のトイレで生理用品の提供を。金銭面でも精神面でもサポートしてもらえて、生理のタブーが解消されるのでは。
・大学にも生理痛で休みやすい環境づくりができるといい。
・男性が目に付くような場所にポスターの掲示。男性も参加していいんだよといった、もっと男性が主体的にかかわりやすくなる環境に。
・言ってはいけない風潮を自分はなくしたい。生理だからって恥ずかしく思わないようにしたい。
・生理のときに、何がつらいのかを言語化して伝える。
・悩みを解決できる選択肢があるといい。仕方がないと諦めてしまうのではなく、解決につながることをどこかで知れたらいい。

4 「声に出して伝えていくこと」が大切。

ディスカッション終了後、各グループの代表者がチームの総意を発表しました。

【大学でできること】

・男性が生理についてもっと認知を高めることや性別関係なくコミュニケーションや情報共有が行える環境をつくる。
・ジェンダー関係なく語り合えるコミュニティをつくる。
・トイレに生理用ナプキンを設置することで、当たり前にあるものとして生理を捉えることができる。設置してある場所を公開する。
・大学の講義を生理で休みづらい風潮をなくし、休みやすい環境をつくる。

【自分ができること】

・困っている人をサポートできるような、意思表示ができるものを身につける。
・生理の時に何がしたいのか、何がしたくないのか、言語化をして伝えるべき人に伝える。
・自分から生理に関する話をしてみる。

女性同士でも、友達同士でも、どこまで話したらよいかわからない「生理」のこと。
女性特有の悩みを知るためには、男女性別関係なく、一緒に学ぶ機会が必要。
自分から悩みを打ち明け、話せる空気感や場をつくる。

「生理の話をタブーにしないために」をテーマに、2時間以上にわたり、学び、語り合った参加者たち。
ラボへの参加理由については、大学の先生から勧められたり、企業主催のラボに興味があったり、男性だけれども女性の健康課題について学んでみたかったりと、さまざまでした。
付箋に書き記された、タブーを解決するためのアイデアはどれも興味深く、明日から始められるような内容ばかりでした。
生理や女性の健康課題を知ることで、企業や社会が少しずつ変わってきているように、大学という教育現場においても、互いの身体を気遣えることができ、無理なく、自分らしく、学べる環境が生まれ、その風土が醸成されていく。
参加した学生から、そのきっかけを生み出すパワーと期待感を得ることができました。

ラボ終了後は、商品を囲んでトークタイム!

吸水ショーツを初めて目にした学生たちは、ショーツを手に取り、生地の触り心地や伸び感、パッド部分の薄さなど、興味深々。内山さんや西澤さんに質問をしながら、和気あいあいと商品知識を深めていました。

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