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【特集インタビュー/フェムテックプレス・スクープ】
デリケートゾーンから、女性特有の健康課題に向き合う。
セルフケアの“新しい当たり前” を作っていきたい。

フェムテックプレス編集部

2023.03.17 10:00

ビジネスにアイデアをひとさじプラス―――。
「フェムテックプレス」掲載のプレスリリースから、
フェムテック業界のトレンドワードをスクープ!
そのキーワードにまつわる企業様にインタビューするコーナーです。

Vol.01のキーワードは「デリケートゾーンケア」。
2021年に「膣洗浄器」を発売した、プロラボホールディングスにお話を伺いました。

『健康寿命の延伸』を目的に掲げ、商品開発、コンセプトサロン、医療プロデュース、無農園ファーム、飲食など10の領域で事業を展開している「プロラボホールディングス」。
新卒入社以来、営業現場で7年間走り続け、女性営業トップという実績を誇る同社営業本部の小平真実さん。「ゆくゆくは、社内事業を横断できるような新規事業を立ち上げたい」と、想いを募らせていた2021年春に、新領域「フェムテック事業」の旗振り役というチャンスが。小平さんをプロジェクトリーダーに任命してきたのは、他でもないプロラボホールディングス代表取締役会長兼CEO佐々木氏と経営陣でした。
フェムテック事業部立ち上げから2年経った今、プロジェクトリーダーとして9名の仲間と一緒にフェムケア市場で、商品を通じてヘルスリテラシーの向上にも注力しているそうです。
立ち上げ当時を振り返るとともに、フェムケアブランド『Gran Femin(グランフェミン)』に込めた想い、今後の事業展望、フェムケア業界の未来とは。

【Profile】
株式会社プロラボホールディングス
営業本部コンサルティング事業部
フェムテックグループ
エステティックサロングループ課長代理
インナービューティコンサルタント
小平真実さん

【INDEX】

●女性の人生に多くの選択肢を。ライフステージを自分らしく歩めるように。
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●「膣洗浄」という奇をてらったセルフケア。自分の体を知り、向き合うきっかけに。
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●人から人へ。商品と一緒に知識を届けたい。だから通信販売は行わない。
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●妥協せず、徹底的に、丁寧に。体に負担をかけない商品づくりを。
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●自ら行動し、社内を巻き込んでいく。3年後には新しい当たり前のケアに。
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●食や健康美容に関するサービスを提供。フェムケア業界をけん引していく。
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女性の人生に多くの選択肢を。
ライフステージを自分らしく歩めるように。

—— 御社ついて教えてください。

弊社は2002年の設立以来、サプリメントや酵素ドリンクを中心としたプロフェッショナルユースのインナービューティプロダクツを開発し、全国のエステサロン、ヘアサロン、治療院など、認定施設でのカウンセリング販売を必須としたサロン専売製品として展開しています。

—— なぜフェムテック事業部を立ち上げたのでしょうか。

弊社の社員は70%以上が女性で、新卒入社の社員が多く、またエステサロンやヘアサロンといった美容業界で働いているスタッフの方々も約90%が女性という環境です。
社員やサロンスタッフの方々が、変化するライフステージを不安なく、選択肢を増やしながら、自分らしく歩めるよう、まずは自らが健康に関する知識をつけて、その知識を一人でも多くのお客様に提供していきたいという想いがありました。

プロラボホールディングスは「健康寿命の延伸」と「美容業界の発展」を事業の目的に掲げています。インナービューティケアのジャンルだけでも、健康寿命の延伸には貢献できるのかもしれませんが、女性特有の悩み、子宮系の悩みやデリケートゾーンの悩みは、食事だけでは解決が難しく、フェムケアでも貢献したいと想いましたし、「美容業界の発展」についても、フェムケアに関する知識を認定施設のエステサロン、ヘアサロン、治療院などに提供することで、美容業界の価値向上にも繋がると考えました。

この3つの目的を果たすためには「プロラボでやるしかない!」と、2021年9月にフェムテック事業を立ち上げました。

「膣洗浄」という奇をてらったセルフケア。
自分の体を知り、向き合うきっかけに。

—— なぜ「デリケートゾーンケア」商品を選んだのでしょうか。

2021年9月、ビジネスとして最初に展開したのは、じつはフェムケア商品ではなく「公認フェムテックマイスター®」という資格講座でした。
女性が抱える健康課題と解決に導く対処法について、知識を深めることが必要だと考え、弊社関連の学術団体「一般社団法人 内面美容医学財団」で資格取得を目指す講座を作ったのが始まりです。

それから3ヵ月後の12月に、フェムケア専門ブランド『Gran Femin(グランフェミン)』から「Fem Clea(フェムクリア)」という、膣洗浄用のデリケートケア商品を発売しました。
開発当時は、まだ女性の間でフェムケアに関する知識や興味がほとんどない感じでしたので、であれば「デリケート分野を強化する」と、あえて奇をてらって膣内の洗浄ケアにしました。

—— 「膣ケア」とは。プライベートなエリアですよね。
当時から「デリケートゾーンケア」のお悩みの声はあったのでしょうか。

サロン様からは、そういったお悩みはありませんでした。ただ、ホルモンバランスの乱れから痩せられないのではないか、肌荒れがあるのではないかといったお話はしていました。
「フェムテック」という用語もここまで浸透してはいませんでしたが、女性のホルモンバランスを整えていくものをきちんと提供しなければ、という想いはありました。
あとは、例えばスタッフさんが子宮頸がんになってしまった、子宮系の疾患にかかってしまって退職することになったというお声も聞いていました。女性のライフステージごとの健康課題に、何かお役に立てることができればいいなとも思っていましたね。

—— 自分の体に目を向けてもらうために。

自分の体の悩みを解決するためには、まず自分の体を知っていただくことが大切です。特にデリケートゾーンはまだ注目されていない分野でしたので、膣内を洗浄する商品の存在を知って、体の悩みについて意識を向けてもらいたい狙いもありました。

ビジネスの側面でいいますと、いち早くフェムケア市場を取っていきたいとの考えがありました。正直なところ、商品化しやすいアイテムではあると思うのですが、私たちの「フェムクリア」は管理医療機器の認証を取得し、厚生労働省の基準や審査をクリアした商品です。フェムケア市場奪取を図るために、他社が真似しにくい、あえてハードルの高い膣洗浄器を発売しました。

人から人へ。商品と一緒に知識を届けたい。
だから通信販売は行わない。

エステプロ・ラボ 銀座 Ⅱ(有楽町マルイ)

—— 「フェムクリア」の売り上げはいかがでしたか。

発売当初は、やっぱり苦戦しましたね。『グランフェミン』の商品はサロン専売品のため、一般のお客様がご購入いただく方法としては、各サロン様、または全国に15店舗ある弊社の直営店舗のみとなっており、インターネット通販やドラッグストア、量販店などではお求めいただくことはできません。

—— サロンや直営店舗でしか買えない理由とは。

女性特有の健康課題は、仕方がないと我慢している人も多いです。私たちはこの商品を通して、女性が抱える健康課題について知っていただいたり、産婦人科へ行くきっかけを作ったり、おひとりおひとりのヘルスリテラシーを高めることが社会貢献につながると考えています。

—— お悩みケアですから、店舗では買いづらい気もしますが。

たしかにインターネット通販は、いつでも手軽にどなたでも購入できるという利点はあります。とくにお悩みケアの商品ならなおのことです。店頭購入はハードルが高いとは思いますが、商品の質や知識啓蒙という点から、手軽さ以上の付加価値をご提供できるよう努めています。専門知識を持ったスタッフがいる店舗でカウンセリングをした上で、商品をご提案させていただいています。

—— 「フェムクリア」の使い方、どんな方におすすめですか。

私たちインナービューティケアのプロとして、腸と膣の細菌バランスはすごく体調に関わってくると考えています。腸も偏った食事ばかりを食べ続けていれば、悪玉菌が増え、腸内環境が乱れて、肌荒れや痩せにくい体になってしまいますし、膣の中も細菌のバランスが崩れてしまうことによって、ニオイやかゆみのお悩みをはじめとするトラブルが起きやすくなってしまいます。
「フェムクリア」は膣内の細菌バランスを守るためのケア商品ですので、生理の終わりかけに数日間使っていただくとか、女性ホルモン(エストロゲン)の低下とともに自浄作用も弱まってしまうので、更年期世代の女性の方の定期的なケアとしてもおすすめしています。

—— 更年期世代の女性は、若い世代以上に取り入れにくいのでは。

本当に価値ある商品をお届けするためには、女性の体についての知識も必要です。おかげさまで弊社はエステサロンがあり、スタッフの方々は日ごろからお客様の肌に直接触れていて、たぶんお客様のお体のことは、お医者様の次によく知っているのではないでしょうか。
例えば、おりものの変化が、ホルモンバランスや膣内の異変を教えてくれていることもあります。そんな時は、産婦人科医への受診をおすすめすることもできます。ちょうどサロンのオーナー様が同世代でいらっしゃることが多く、すでに相談しやすい関係性も築けているかと思います。

妥協せず、徹底的に、丁寧に。
体に負担をかけない商品づくりを。

—— 商品開発のこだわりについて教えてください。

弊社の商品開発では、いかに「体に負担をかけない設計」にするかを最優先しています。こちらの「フェムウォッシュ」は10FREE設計を掲げ、パラベン、酸化防止剤、合成着色料、合成香料、アルコールなど、体に負担がかかるかもしれないものは徹底的に排除し、自然由来や植物由来のものを使用し、やさしさや安全性を追求した処方で、体感を得られる設計にこだわっています。

—— 自然由来のみでの処方は難しいのでは。

開発段階では入れたい成分、抜いてほしい成分などをリストアップして、業者さんと何度も何度もやりとりを繰り返しました。テクスチャや香りなどに関わっている成分を1つ1つ調べていくと、じつは合成成分が混在していたという事態も起こり、発売時期が当初の予定よりも3ヵ月も延期してしまい、お客様をお待たせしてしまいました。本当に作るのに時間がかかりましたね。

—— 「フェムクリア」、「フェムウォッシュ」に続き、新商品が発売されるそうですね。

今年3月にサロン先行発売でデリケートボディ用保湿美容液「フェムセラム」が登場します。今後は、デリケートゾーンの洗浄、乾燥保湿ケア、寝る前のスペシャルケアと3つのシリーズでフェミニンケアを紹介していきます。
じつは、当初の計画では「フェムクリア」の発売のみでした。どれだけ良い商品を販売しても、1アイテムだけではフェムケア市場に広げていくことは難しい。プロジェクトリーダーを任されていましたので、こういったものを作りたい、ああいうのも作りたいと話をして、初めて処方やパッケージなど1から手がけました。社内の女性たちも巻き込みたかったので、この香りどれがいいと思う?このパッケージ、これとこれ考えたんだけど、どれがいいと思う?と、社内スタッフに聞きながら一緒に作り上げました。

自ら行動し、社内を巻き込んでいく。
3年後には新しい当たり前のケアに。

—— 「フェムテックプレス」では、2023年注目しているカテゴリの1つに「デリケートゾーン」を挙げています。フェムケアのパイオニアとして、フェムケア市場をどのようにご覧になられていますか。

「フェムテック」は流行語大賞にも選ばれましたが、一気に伸びない市場だなと思ったのが最初の印象でした。ただ、一過性では終わらない伸び方をしているとも感じています。着実に広がっている、微増右肩上がりといった感じでしょうか。

—— この2年間でだいぶ盛り上がりを見せていましたよね。

様々なジャンルのフェムテック、フェムケア商品が誕生していました。これからは商品を開発・販売している私たちが、なぜこの商品を使うのか情報を提供していく必要があります。
フェムテック・フェムケア市場は、今後も広がると思いますし、フェムケアは“新しい当たり前のケア”になっていくと見ています。エステサロンでお顔用の化粧品が販売されているのが当たり前のように、デリケートケア商品も販売しているのがごく当たり前になると感じています。

美容業界から新しく出たものは、 3 年後に一般市場が追いついてくるイメージといわれています。だからこそ私たちプロラボから、デリケートゾーンケアを美容業界の新しい当たり前にして、市場がついてくればいいなと思っています。もし当たり前になっていなければ、私たちプロラボの力不足だった、それぐらいの気持ちでいます(笑)。

—— フェムテック事業を立ち上げて、ご自身や社内にポジティブな変化はありましたか。

これまで私自身も「忙しい」を理由にして、子宮頸がんの検診とかに行ったことがありませんでした。このフェムテック事業のリーダーになってからは「まず、私が行かなくては!」と、考えを切り替えて積極的に受診するようになりましたし、「検診行った?」と周囲の女性スタッフに声掛けをしています。

あとは、オフィストイレに「おまた美人」いう自作のイラストポップを掲出し、トイレでの拭き方だったり、デリケートゾーンの洗い方だったり、商品を絡めない知識情報を発信しています。そうしたら社員の商品社販率がものすごく上がりましたね(笑)。

—— 社販率増、さすがトップセールス!立ち上げ当時の社内の反応は。

正直なところフェムテック事業がスタートした時は、社内でも温度差がありました。どういった商品かわからない、必要性が伝わらないということもあって、興味を持ってもらえず、使ってもらえず、売ってもらえない・・・最初は大変でした。

社内の女性スタッフに、デリケートゾーンのお悩みについて聞いても「特にニオイもかゆみもないし、使わなくていいかな」みたいな反応で(笑)。それならばと匿名アンケートを取ってみると、インナービューティや健康美容をうたっている企業であっても、90%の女性が悩みを抱えていたことがわかったんです。やはり社内でも啓蒙活動を行っていかなければと実感しました。正式にこの事業部を担当しているのは私だけで、現在はサポートメンバーとして男性2名、女性7名の10名体制で、商品開発、セミナー運営、販促物の作成などを行っています。

食や健康美容に関するサービスを提供。
フェムケア業界をけん引していく。

—— プロラボとしての今後の展開を教えてください。

会社自体が「世界でナンバーワンのインナービューティブランドになる」ということを掲げていますので、まずは日本女性の健康をサポートしつつ、海外にも広げていきたいという想いはもちろんあります。
私たちはフェムケア商品をただ使ってもらうだけでは、そんなに広まるとは思っていません。例えば、産婦人科と連携したWEBサービスを提供したり、ここまで一緒に歩んできたサロン様を通して、産婦人科との連携を図ったサポートがあったり。
世の中にはたくさん良い商品があります。フェムテック市場、フェムケア業界をけん引していくためにも、成長させる食や健康美容に関するサービスを提供するなど、私たちプロラボがもっと様々なことをやっていきたいと思います。

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【Company Data】
「エステプロ・ラボ」ブランドを展開する株式会社プロラボホールディングスは、2002年の設立以来、一般市場の製品とは一線を画したプロフェッショナルユースのインナービューティプロダクツを開発。自然界の植物の生命力を活用し、原材料選定の段階から処方、クリエイティブ、最終製品化に至るまで、すべてのプロセスにおいて一切の妥協を排除した「Esthe Pro Laboブランド」は、「クオリティ」と「安全性」を最重視したサロン専売の内面美容製品として、全国のエステティックサロンやスパを中心に20,293店舗、中国、ベトナムをはじめ世界15ヵ国に展開。

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