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【特集インタビュー 株式会社エディオン様】
家電量販店エディオンから届ける“わたしの新しい当たり前”
──「Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)」で見つけた、
やさしいつながりのかたち。

フェムテックプレス編集部

2025.05.13 17:00

ビジネスにアイデアをひとさじプラス——。
「フェムテックプレス」では、掲載プレスリリースをきっかけに、業界の注目キーワードを深掘り。企業担当者へのインタビューを通して、フェムテック・フェムケアの現場を紐解いていきます。

Vol.15のキーワードは「暮らしのなかのフェムテック」。

生理や妊活、更年期など、女性のライフステージに寄り添う製品やサービスが広がるフェムテック市場。これまで主に参入してきたのは、繊維・医療・美容・ITといった専門業界の企業でした。
そんななか、2023年12月に家電量販店のエディオンが、横浜西口本店3階にフェムテックコーナー「Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)」をオープン。
「なぜ家電量販店がフェムテックを?」と疑問に思われた方もいるかもしれません。その背景には、エディオンならではの企業姿勢と、生活者一人ひとりに寄り添いたいというやさしい想いが込められていました。
本特集では、「Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)」ご担当の磯崎さんに、立ち上げの背景や売り場づくりのこだわり、そして今後の展望についてお話を伺いました。

【Profile】
株式会社エディオン 横浜西口本店3階
「Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)」担当 磯崎さん

【INDEX】

● ダイバーシティ推進から生まれたフェムテック売り場の価値。


●“入りやすさ”と“安心感”を両立する売り場の工夫。


●“わたしの新しい当たり前”を広げるために。


ダイバーシティ推進から生まれたフェムテック売り場の価値。

―なぜ、家電量販店のエディオンが「フェムテック市場」に着目したのでしょうか。

フェムテックへの取り組みが始まったのは、横浜西口本店の新規オープンがきっかけでした。
「新しいチャレンジを取り入れよう」という社内の声を受けていくつかの企画が検討され、その一つに「フェムテック」が含まれていたのです。

背景には、当社が推進している「ダイバーシティ&インクルージョン」の考え方があります。

とくに女性従業員の活躍を支援する動きが強まるなかで、「女性特有の悩みをテクノロジーの力で支えたい」という企業の想いとフェムテックの概念が重なりました。

さらに家電量販店という業態には、主にオンラインでの購入が中心だったフェムテック製品を、実際に「見て、触れて、試せる」環境を提供できるという強みがあります。美容・健康家電との親和性や、他フロアとのつながりによる自然な導線も活かしながら、お客様が気軽に立ち寄れる売り場づくりを進めています。

―「Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)」1号店を横浜西口本店に設けた理由とは。

当社は本社を大阪に構え、西日本を中心に多くの店舗を展開しています。フェムテックコーナーの1号店を横浜に設けた理由は、横浜市が女性の社会進出が進んでいる都市のひとつであり、また、横浜西口本店が幅広い層のお客様が訪れる大型店舗だという点です。

とくに若い世代や子育て世代の女性が多く来店されており、フェムテック製品との接点を持ちやすい層が集まる店舗だと感じています。
働き始めてから気づいたのですが、7階にはおもちゃコーナーや子ども向けスペースがあり、休日にはファミリー層でにぎわっています。そのため、Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)も「お買い物ついでに立ち寄れる場所」として、子育て世代の方に知っていただきやすい環境になっていると感じています。

― 磯崎さんは、フェムテックコーナーの企画から関わっていらっしゃったのでしょうか。

この企画を立ち上げたのは、当時の男性店長と本社の女性社員と聞いています。
私はそれまで生活家電を担当していたのですが、社内公募でこの企画を知り、初めて「フェムテック」という言葉に出合いました。調べていくうちに、月経・妊活・更年期といったカテゴリが、まさに自分自身のこれからの人生にも関わることばかりだと知り、「家電量販店ではなかなか出合えないジャンルだ」と強く惹かれ、この取り組みにぜひ参加したいと手を挙げました。

“入りやすさ”と“安心感”を両立する売り場の工夫。

― 男性客が多い家電売り場のなかで、フェムテックコーナーを設けるにあたって意識されたことは。

Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)では、フェムテックアイテムをもっと身近に、もっと自然に手に取っていただけるよう、売り場づくりにも工夫を凝らしています。
売り場の場所は、比較的女性の来店が多い美容・健康家電フロアの一角に設置し、ピンクを基調にしたやわらかな色使いで、ランジェリーショップのような温かみを演出しています。他の買い物のついでに立ち寄りやすい導線を意識し、誰でも入りやすい、明るく開かれた空間を目指しました。

商品は、月経ケア(吸水ショーツなど)、温活グッズ、セルフプレジャーアイテム、デリケートゾーンケア用品などを取り揃えています。フェムテックエキスパート2級の有資格スタッフが4名在籍しており、安心してご相談いただける体制です。

― デリケートなカテゴリを扱う上で、配慮されたことはありますか。

オープン当初は、店頭にスタッフが常駐し、来店されたお客様に商品をご案内するなど、家電と同様の接客対応を行っていました。しかし、フェムテックというデリケートな分野であることもあり、この方法ではなかなかうまくいきませんでした。

そこで売り場スタッフで相談し、やはりデリケートなカテゴリということもあるので、スタッフの常駐は避け、必要な時だけ呼んでもらう「呼び出しボタン」を設置し、お客様ご自身のタイミングで声をかけていただけるようにしました。

さらに、鍵がかかるフィッティングコーナーや売り場内にレジを設置し、お買い物しやすい環境を整備。キャッシュレス決済に対応したフェムテック製品の自動販売機も導入しており、時間を気にせず、気軽に購入できるのも特徴です。
女性おひとりでのご来店はもちろんのこと、パートナーと一緒でも立ち寄りやすい売り場となるよう心がけています。

― お客様と接するなかで印象に残っていることはありますか。

とくに印象に残っているのは、リピーターのお客様から「喜びの声」をいただけたことです。もちろん、商品をご購入いただけるのはとてもうれしいことですが、それ以上に、「悩みを打ち明けていただけたこと」が、接客に携わるなかで何よりもうれしく、心に残っています。

性交痛や更年期のこと、娘さんの月経についてなど、ご相談の内容は多岐にわたります。この1年でリピーターのお客様も増え、お顔を見ただけでわかる常連さんもできました。
接客のタイミングは難しく、興味を示している方でも、声をかけられたくない場合もあります。お客様の表情やしぐさを見ながら、そっと寄り添うように接することを大切にしています。

― 昨年は「Femtech Japan」とのコラボイベントを開催されていましたよね。

Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)では、セミナーや体験型イベント、メーカー様による即売会を定期的に開催しています。
その内容は非常に幅広く、たとえば、ふらっと立ち寄った方でも参加しやすい基本的なフェムテック・フェムケアの情報から、上級者向けの膣トレに関するセミナー、パートナーと一緒に参加できる性に関するプログラムまで、様々なテーマを扱っています。
昨年8月には、Femtech Japan様とのご縁から、フェムテックを広めるコラボイベントを実施させていただき、当店のフェムテックへの取り組みを知っていただくいい機会となりました。今後も家電量販店エディオンならではのフェムテックイベントを開催していきたいと考えています。

“わたしの新しい当たり前”を広げるために。

―「Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)」としての目標や想いをお聞かせください。

売り場で接客していると、よく「ここは薬局?雑貨屋さん?」と聞かれます。私たちは迷わず「ここは家電量販店エディオンの、フェムテック売り場です」と答えるようにしています。
お取引メーカー様からも「初めて見た」「広い売り場ですね」と驚かれることがあります。だからこそ、「Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)をもっと知っていただきたい」という強い使命を感じながら日々向き合っています。

様々なフェムテックアイテムを取り扱っていますが、なかでもセルフプレジャーアイテムは、インターネットで購入される方が多くいらっしゃいます。とはいえ、店頭で実際に手に取って商品を見ることができる場所は、まだまだ限られているのが現状です。

だからこそ、これまで商品を知らなかった方や、関心はあるけれど一歩を踏み出せずにいた方に向けて、実際に触れて、知ってもらえるきっかけをつくっていきたい――そんな想いを大切にしています。

フェムテックコーナーは、横浜西口本店の他、なんば本店でも展開しています。
まずは、「Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)」の認知を広げていくことが、今の目標です。
フェムテックが「特別なもの」ではなく、誰にとっても自然な選択肢となるように。エディオンはこれからも、「わたしの新しい当たり前」をつくるお手伝いを続けていきます。

【Company Data】

全国に1,190店舗※を展開している家電量販店。豊富な商品知識と丁寧な接客、アフターサービスを通じて、お客様の豊かな暮らしを永続的に支える企業を目指しています。
フェムテックコーナー「Femtech Cocoruna(フェムテック ココルナ)」を横浜西口本店、なんば本店(大阪市)にて展開しています。
※2025年3月末時点

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