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【視覚障害者の生理の悩み深刻】経血漏れ気付けない・パッケージ読めない…8割 の視覚障害者女性が生理に対して悩みを抱えていることが判明

一般社団法人日本視覚障がい者美容協会(JBB)

2024.03.26 17:12

10代から70代以上の生理の経験のある視覚障害者女性 282 名を対象に『生理や妊娠』についてのアンケートを実施

一般社団法人日本視覚障がい者美容協会(JBB)(本部:埼玉県上尾市/以下 JBB)は、10代から70代以上の生理の経験のある視覚障害者女性 282 名を対象に『生理や妊娠』についてのアンケートを実施いたしました。本アンケート調査を通して「視覚障害者の生理や妊娠に対する現状」についての実態が明らかになりました。

近年、障害者が外に出て活躍できる時代なり、目が不自由な人には必要ないと思われた美容にも大きなニーズが生まれました。
女性特有の健康課題も時代とともに変化し、特化した商品やサービスの増加や、社員をサポートする企業の取り組みが増え、「生理や妊娠」に対する悩みにも理解が広まっています。
その一方で、障害に対する理解は殆ど進んでおらず、障害者が自信を持って社会に参画し、100%のパフォーマンスを発揮できる環境とは言い難い状況です。
今回は、目が不自由な女性がどのような悩みを抱え、またそれを取り巻く環境がどのような状態なのかを調査するため、視覚障害者女性 282 名を対象に『生理や妊娠』についてのアンケートを行いました。



※アンケート結果より一部抜粋

視覚障害者ってどんな人たち?

まずは、視覚障害者を取り巻く現状について聞いてみました。

全国に視覚障害者はおよそ 31 万 2 千人、障害者手帳を持たない人を含めると 164 万人に上ると言われています。職場の環境について質問をしたところ、79.9%の方が「晴眼者(目が見える人・健常者)の方が多い」環境の中で、仕事をしていると回答していました。

生理の始まり・終わりわからず困る

では、目が不自由な女子達は生理が来たとき、どのような不便を感じているのでしょうか。
生理が始まったことを、どのような方法で確認していますか?と聞いてみました。

●におい:121(43.5%) ●手触り:104(37.4%) ●腹痛やむくみ、頭痛などのPMS(月経前症候群)が現
れ た ら :154(55.4%) ●い つ 来 る か 分 か ら な い の で 、 予 定 日 が 近 づ い た ら 生 理 用 品 を 使 い 始 め る :150(54%) と続きました。
中には、「家族に確認してもらう 」、「予定日の二日ほど前からナプキンを使い始める」、「音声の基礎体温計は無いので…(予測ができない)」などの回答がありました

パッケージ読めない・用品購入も困る

それでは、目が不自由な女子達が当たり前に生理用品を買えるようになるために私達に何ができるでしょうか。
生理用品を買う際、どのような支援があればいいと思いますか?と聞いてみました。

●生理用品のパッケージにQRコードを印字する。サイトに飛べば、説明が読めるようにする:36(13.8%)
●販売会社のホームページに、音声のページを作る:17(6.5%)
●販売会社のホームページに、白黒反転のページを作る(弱視対応):10(3.8%)
●生理用品の色やデザインを音声で教えてくれるサービス:19(7.3%)
●生理用品の種類や使い方を学べる講座の開催:25(9.6%)
●薬局など販売店の店員に、視覚障害者への対応方法を知ってもらう:62(26.8%)
●障害者支援団体など、視覚障害者がアクセスしやすい機関からの情報発信:33(12.6%)
●相談窓口を増やす:39(14.9%)「視覚障害者対応のスキルがある店員さんがいてもらえると心強い」、「各メーカーの生理用品の種類の一覧を閲覧できるサイト」、「試供品を提供してほしい」などの回答がありました。

まとめ

日本でも、新型コロナウィルス感染拡大により、「生理の貧困」に注目が集まりました。
一方で、視覚障害者もまた、目が不自由なことによって、 情報を取り入れにくい現状がわかりました。
生理に関しては、70%以上の方が「視覚障害により生理について不快・不便な思いをしたことがある」と回答しました。回答の中には、「(店員に生理用品の)種類を全て読み上げてもらいたいが、沢山あり時間を取らせると申し訳ない」、「生理用品が平等じゃないことを初めて知った」、「おそらく、(生理用品を)デザインをしている人たちは視覚障害者のことを忘れているのではと思う。」などがありました。

妊娠に関しては、60%以上の方が、「視覚障害があることで、妊娠や出産で不快・不便な思いをしたことが ある」と回答しました。回答の中には、「妊娠検査薬の使い方や検査結果を自分で確認することが出来ない。他人に見てもらうことが辛すぎた」、「出産をお願いしたいと考えていたクリニックがあったが、見えない人を受け入れる余力がないという理由で受け入れを拒否された」、「視覚障害者も子どもを産みたいと思っている人がいることを知ってほしい」などがありました。

視覚障害者は情報障害者とも呼ばれています。お店に行けば、選びきれないほどの商品が並んでいますがその殆どが、目が不自由なことによって存在しないものになっています。
サンプル提供やセミナー開催のタイアップで、ご自身の商品やサービスの存在を知らせることができます。
存在を知れば自分で買うことができるので、お店や商品のファンが増え、大きな支援に繋がります。
商品開発、アンケート調査、SDGs に対応した社員研修など、幅広くお手伝いをしております。
JBB では、サービスを提供する側とされる側の架け橋となれるよう活動しておりますので、お気軽にご相談ください。

JBB では、視覚障がい者に向けたフェムケア勉強会を開催!

現在の社会の仕組みは、健常者が便利なように作られています。健常者にとって便利なものが障害者にとって不便なものになっていることが多く、袋に入っていて触っても違いがわからない、商品説明が読めず使い方がわからないなどの悩みを抱える女子達のために、リアルやオンラインでフェムケア勉強会を開催しております。
実際に商品を触って体験して、そのフィードバックをもらうことができます。
拡大し続ける障害者市場で、全員が使えるユニバーサルデザインの開発や、当たり前に購入できる仕組みづくりにお役立てください。※企業様の出展、セミナー開催、試供品の提供などのご支援を募集しております。

【企業情報】

名称:一般社団法人日本視覚障がい者美容協会
所在地:埼玉県上尾市
代表者:佐藤優子
事業内容:視覚障害者の支援に関わる事業運営

【調査概要】

調査期間:2023 年 8 月 21 日から 2023 年 10 月 31 日
調査方法:インターネット
調査人数:282 名
調査対象:10代から70代以上の生理の経験のある視覚障がい者女性

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