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【特集インタビュー フェムテックプレス・スクープ】
多様なライフスタイルを持つ女性たちに合わせた
地域密着型の働き方を創出していきたい。

フェムテックプレス編集部

2023.05.29 10:00

ビジネスにアイデアをひとさじプラス———。
「フェムテックプレス」掲載のプレスリリースから、フェムテック・フェムケア業界のトレンドワードをキャッチアップし、企業担当者にインタビューします。

Vol.03のキーワードは「ママの働き方改革」。
2022年に“働きたい女性を応援するお仕事マッチングサービス”を開始した、
株式会社Realize(リアライズ)にお話を伺いました。

働きたい女性と人手不足の賃貸住宅管理・建設業界をつなぎ、雇用を生み出すマッチングサービスを提供している「株式会社Realize(リアライズ)」。設立からわずか1年で、すでに東北から沖縄まで日本各地で事業を展開。生活スタイルに合わせて柔軟に働きたい子育て世代のママさんを中心に、多くの女性が活躍しています。
この新たな雇用の仕組みを構築したのは、ご本人も3児の母であるRealize(リアライズ)代表取締役の池田礼子さん。「シングルマザーを支えたい」「手に職をつけたい女性をサポートしたい」「地域活性化に貢献したい」など、設立には様々な想いがあったようです。
ビジネス創出の着眼点や女性の働き方改革への想い、今後の展望についてお聞きしました。

【Profile】
株式会社Realize(リアライズ)
代表取締役
池田礼子さん

【INDEX】

●人材不足により業務過多に。お客様と営業スタッフの「お困りごと」を解決したい。
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●「入居後のクレームをゼロにする」。生活者視点での細やかな気配りを重視。
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●仕事に穴を開けない!信頼できる地域のお母さんネットワーク。
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●多様なライフスタイルを持つ女性たちに合わせた、地域密着型の働き方ができるように。
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人材不足により業務過多に。
お客様と営業スタッフの「お困りごと」を解決したい。

—— 設立のきっかけについて教えてください。

「株式会社Realize(リアライズ)」は2022年2月に、人材不足で悩んでいる賃貸住宅管理や建設業界と働きたい女性をつないで、雇用創出をサポートするお仕事マッチングサービスをスタートさせました。もともとは、住宅設備機器の修理や取替設置工事などを行っているグループ会社「ハートリビングサポート」で働いていましたが、常々、当社の営業スタッフやお客様である賃貸管理会社様のお困りごとを解決できる仕組みができたらいいなと考えていました。

たとえば、マンションやアパートなどを管理している賃貸管理会社様や賃貸オーナー様からは、「退去後や入居前の点検や管理が大変」というお話を伺っていましたし、当社の営業スタッフに業務内容を聞き取りしたところ、本来の業務以外の物件の現地調査まで行っていることがわかりました。お客様側にも、私たちにも「人材不足による業務過多を軽減したい」という共通の悩みがあったのです。

手が回らない仕事のなかには、もしかしたら営業スタッフでなくてもできる仕事があるかもしれない。また、かねてから働きたい女性の雇用創出や地域に貢献できるビジネスができないかと考えていたため、ビジネスマッチングすることで解消できるのでは、と。それがRealize設立のきっかけになりました。

「入居後のクレームをゼロにする」。
生活者視点での細やかな気配りを重視。

—— Realize(リアライズ)のお仕事について教えてください。

Realizeのおもな仕事は、契約しているマンションやアパートの鍵交換、入居前調査、点検、清掃、現地調査、インターホン交換など多岐にわたります。
グループ会社の「ハートリビングサポート」は、設備不良や故障が発生してから業務を請け負いますが、Realizeの作業は入居前に設備の調査や点検を行います。先ほど賃貸管理会社様のお困りごとを解決できればというお話をしましたが、そのニーズにマッチしていたのです。

たとえば賃貸物件の場合、入居後に設備等に不具合が起こると更新継続率が下がると言われています。だからこそ「入居前点検」は重要な作業です。
すべて当社オリジナルの「入居前点検マニュアル」に基づいて確認していきますが、その数は70項目におよびます。
設備の型番、床・クロスの傷や汚れ、水漏れの箇所もすべて写真撮影し、報告資料として提出。この報告資料は、転居前の点検資料としても活用されています。

—— こんなに細かいところまで点検されているとは。しかも写真付きだと確認しやすいので、賃貸管理会社様も助かりますね。

私たちは「入居後のクレームをゼロにする」ことを目標に掲げています。実際この仕事は、力よりも細やかな気配りが重視されます。もっと言えば、これから生活を始める入居者側の視点も必要です。だからこそ、日々家事をこなし、細かなところまで目が行き届き、気が付ける主婦や女性の方が向いているように感じます。
現在、毎月1,000~2,000件くらい受注していますが、私のところまで上がってくるミス報告は5件程度です。そのミスも次は起こさないよう徹底しています。

—— 毎月2,000件!登録されているスタッフの方は何名くらいですか。

現在、全国で200名ほどのスタッフが働いています。女性の仕事=オフィスワークというイメージをお持ちの方は多いかと思いますが、じつは技術を習得し、「手に職をつけたい」と考えていらっしゃる方もいます。

まずは2ヵ月間研修を受けていただき、その後は地域の先輩と一緒に現場作業をしながら学んでもらいます。そのスタッフが独り立ちするまで、そのスタッフに合わせた研修を行っていきます。
研修内容は動画でも配信しており、場所や時間を選ばずに参加いただくことができるよう配慮しています。

仕事に穴は開けない!
信頼できる地域のお母さんネットワーク。

—— 子育て中の女性が働く現状をどのように受け止めていますか。

子育て中や介護中の女性は忙しく、常勤や固定シフトで働くことが難しい状況にあります。それでも社会復帰したい、すき間時間を活用して働きたいと思っている女性たちは、じつはとても多いのです。
世の中では、女性活躍を促すような働きかけもありますよね。しかしながら、女性は出産を機に一定期間仕事から離れますし、復帰しても出産前と同じような働き方は難しいです。介護で離職する方も同様です。働ける環境がなければ、結果、働くことを諦めざるを得ないのが現状なんです。

—— 子育てしながら働く大変さ。自らの経験からそう感じることはありますか。

そうですね、本当に大変です。とくにシングルマザーは、家事も育児もこなしながら働く必要があり、子どもを育てながら自立し、経済的に安定した生活を望んでいます。
私自身も離婚を経験し、シングルマザーとして子育てをした経験があります。親にサポートしてもらいながらなんとか頑張ってきましたが、親にも周囲の人にも頼ることができない方もいます。男性の育休制度もありますが、家事や育児に割く時間が多いのは女性ではないでしょうか。
私たちは働きたくても働けない、働く意欲のある女性たちが、柔軟に働ける仕事を創出し、そのプラットフォームを提供しただけに過ぎません。

私たちのお客様は、日本各地にいらっしゃいます。依頼物件に近い地域スタッフが請け負うことで、移動時間もコストも削減できます。
ママたちはネットワークづくりも上手です。チームで動かれている人も多いので、お子さんが体調を崩して業務対応ができなくなってしまっても、代わりのスタッフがサポートに入ってくれます。
私たちの仕事は、彼女たちの連携によって支えられているんですよ。

多様なライフスタイルを持つ女性たちに合わせた、
地域密着型の働き方ができるように。

—— これからどのような事業展開を考えていらっしゃいますか。

設立してから1年で、事業は想像以上の成長を遂げました。それだけお母さんたちの働きたいという意欲と仕事の需要がマッチしていると実感しています。とくに最近は、防犯という点においても女性の方が安心ということから、女性スタッフのニーズが高まってきているのかもしれません。

全国には当社と同様の事業を展開している企業があるかと思います。私たちの強みは、一度に多くのお仕事の依頼が入った場合でも、お客様のニーズにお応えできること、また働くスタッフの方々にとっても、お仕事を継続的に提供できる会社である点です。

社名のRealizeには「実現する」という意味があります。
日本は先進国でありながら、ひとり親世帯の貧困率はOECD加盟国の中で2位です。Realizeが掲げている女性活躍推進を応援・協賛してくださる企業様もいます。
SDGsへの取り組みとして、「手に職をつけたい」と考えている女性に向けての資格取得・技能習得のサポートをはじめ、子どもを育てながら技術を習得し、安定した生活を希望するシングルマザーの方をサポートしていく環境(ビジネス)も提供できればと思います。

多様なライフスタイルを持つ女性たちに合わせた、地域密着型の働き方ができるように、今展開している事業の足元をしっかりと固め、お客様からビジネスパートナーとして信頼いただけるよう努めていきます。

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【Company Data】
企業の女性雇用促進に対するフォローや仕事に復帰したい女性をサポートする事業、資格取得と丁寧な技能研修を行う技術サポート事業、現場と施工者をマッチングさせる発注集約アプリの運営事業を中心に展開。

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