経営情報
デリケート部位専用製剤の開発に特化した刺激性評価の構築
ロート製薬株式会社
2025.12.18 15:05
三次元培養ヒト膣粘膜上皮モデルを用いた安全性評価系の導入-
ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:瀬木英俊)は、ロートグループ総合経営ビジョン2030「Connect for Well-being」の実現に向け、動物実験代替法を活用した製品開発および安全性設計に取り組んでいます。今回、デリケート部位専用洗浄剤の安全性評価を目的に、三次元培養ヒト膣粘膜上皮モデルを用いた刺激性評価系を構築し、自社開発品の安全性をin vitro とヒト実使用試験の双方で確認しました。本研究内容は、2025年11月1日~3日に開催された日本動物実験代替法学会第38回大会にて発表しました。
1.研究成果のポイント
◆ 確立された in vitro評価法が存在しない“デリケート部位”という未開拓領域において、独自の評価プロセスを設計し、実際の製品開発に応用
◆ 三次元培養ヒト膣粘膜上皮モデルを活用し、デリケート部位専用洗浄剤の刺激性を予測
◆ フェムケア製品の安全性評価基準確立に向け、ガイドライン化や外部連携を見据えた研究推進に期待
2.研究の背景
近年、デリケート部位のにおいや乾燥、かゆみなどの悩みを解消するため、フェムケア製品への関心が高まっています。一方、デリケート部位は皮膚が非常に薄く(図1)、バリア機能も弱い上、粘膜部位にも隣接していることから、刺激リスクへの十分な配慮が必要とされます。

そのため、フェムケア製品の開発には一般的な皮膚用製品以上の慎重な安全性設計が求められますが、デリケート部位に特化した in vitro 試験法は標準化されておらず、製品開発に活用可能な評価系の確立が課題となっていました。そこで本研究では、ヒト外陰部由来細胞から再構築された「三次元培養ヒト膣粘膜上皮モデル」を用い、曝露条件や評価手法を独自に検討することで、デリケート部位の刺激性を評価する新たなプロセスを設計し、製品開発に取り入れました。
情報提供元:PR TIMES
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