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“NO”は、じぶんを大切にするひとこと。 SRHRとフェムテックで見つける、じぶんのための選択肢。
フェムテックプレス編集部
2025.04.11 10:18
知っていますか?
4月は「若年層の性暴力被害予防月間」です。
「若年層の性暴力被害予防月間」とは、10代・20代の若者に向けて、「性暴力は許されないこと」「相談していいこと」を社会全体で伝えていくための啓発月間です。
毎年4月、内閣府などの政府機関が中心となって実施されており、月間中は、若年層の様々な性暴力被害について予防啓発や相談先の周知、被害者に対する周りの人からのサポートの必要性などの啓発を行います。
本月間を通じて、「同意のない性的な行為は性暴力」「被害者は悪くない」という認識を、社会全体に広げていきます。
動画やパンフレットから、“もしも”に備える準備を。
じぶん自身や、大切な人を守る一歩になります。
若年層の性暴力被害予防月間ウェブサイト(男女共同参画局)
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/jakunengekkan/index.html
なぜ4月なのでしょうか?
春は、新しい出会いや環境の変化が多い季節。進学や就職、一人暮らしなど環境が大きく変わるこの時期は、恋人や友人、SNSで知り合った相手との関係で“気づきにくい性暴力”が起きやすいとされています。
とくに10代・20代の若い世代では、恋人やSNSで知り合った相手との関係のなかで、“モヤッとした違和感”を見過ごしてしまうケースがたくさんあります。
そして、ゴールデンウィークが近づく今は、旅行やおでかけ、ちょっと特別な予定が増える時。だからこそ、「もしもの時、自分を守れる知識」を一緒に持っておきませんか?
そんな時に知ってほしいのが、「SRHR(性と生殖に関する健康と権利)」という考え方。
それは、「性のことを話していい」「イヤなときにNOと言っていい」「相談できる場所がある」――あなたがあなたらしくいるために、とても大切な“選べる力”のことです。
「SRHR」ってなんだろう?
ちょっとむずかしそうな響きの「SRHR」。
でもその意味は、とってもやさしくて、大切なことばかりです。
SRHRは「Sexual and Reproductive Health and Rights」の略で、
「性と生殖に関する健康と権利」をすべての人が持っているという考え方。
一人ひとりが適切な知識と自己決定権を持ち、自分の意思で必要なヘルスケアを受けることができ、自らの尊厳と健康を守れることです。
たとえば……
・誰と、どんな関係を築くか、自分で決める自由
・キスや性行為に「YES」「NO」を選べる自由
・生理や避妊について正しい情報を知り、サポートを受ける権利
・妊娠・出産をするかどうか、自分で決められること など
セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツとは?(ジョイセフ)
恋人やパートナーだからって、我慢しなくていい。
「付き合ってるから当然」「これくらい受け入れなきゃ」「嫌だって言ったら、嫌われるかも」。
そんなふうに、自分の気持ちを抑えてしまった経験はありませんか?
とくに多いのが、恋人との関係の中で起こる“デートDV”や性暴力”。
たとえば……
・無理やりキスや体に触れてくる
・LINEやSNSの返信を強要される
・「他の人と話すな」と友人関係を制限される
・避妊しないまま性行為を迫られる
・お酒を飲んだあと、イヤでも止めてくれない
最初は優しかった相手でも、「愛してるから」という言葉でコントロールされたり、「自分が悪いのかも…」と思わされてしまうことがあります。でも本当は、どんな関係性であっても、「NO」を言っていいんです。
性について話せることも、大事な“健康”のひとつ。
SRHRでは、「性について話し合えること=大切な健康の力」とされています。
・「今日はそんな気分じゃない」と、言えること
・「無理してない?」と、相手を思いやる気持ち
・「こういうこと、ちょっと不安なんだよね」と、話せる関係性 など
これは、恋人だけじゃなく、友達や家族、学校や職場のなかでも同じです。「話していい」って思えることが、あなたを守る第一歩になります。
フェムテックで、“じぶんを知る”ことからはじめよう。
最近では、フェムテックのアイテムやサービスを使って、自分の体や心の変化に気づける人が増えています。
フェムテック できること
・月経記録アプリ:体調や気分の変化を見える化。違和感にも気づきやすくなる
・オンライン相談:性にまつわる悩みを、匿名・スマホで相談できる
・避妊・性教育サポート:正しい情報にアクセスし、安心して選択できる環境づくり
・教育キット・冊子:学校や地域でも性と権利を学べる教材が広がっています
「知ること」は、自分を守る力につながります。そして、「話していい」「助けを求めていい」と知っているだけでも、心が少し軽くなるかもしれません。
もし迷ったときは、ひとりで抱えなくて大丈夫。
「こんなことで相談していいのかな?」「まだ被害ってほどじゃないし……」
そう思ってしまう気持ちも、よくわかります。でも、“ちょっとでも不安に感じたら”相談してOKです。
無料・匿名で相談できる場所やタイミングで、相談してみましょう。
性暴力救援センター・SARC
さいごに
性について話すことは、決して恥ずかしいことじゃありません。
あなたの体も、あなたの気持ちも、あなたの人生も――全部、あなたのもので、誰かに強制されたり決められるものではありません。
この春、そしてゴールデンウィークの前に。
「おかしいかも」と感じた自分を、信じることを大切にしましょう。
NOを言うことは、決してわがままではありません。YESを選ぶには、「知識」と「選択肢」が必要なんです。
SRHRの観点においては、日本は後進国と言わざるを得ません。
私たちFemtech Pressは、SRHRの考え方と、フェムテックの力を通じて、“自分を守れるわたし” を増やしていきたいと考えています。
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