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【現地レポート】株式会社カノアクルー×株式会社キャンプ
前編:アピアランスケアとは? 乳がん治療後の「身体と暮らし」を考えるメディア勉強会
フェムテックプレス編集部
2026.10.16 11:06

(左から)榊原さん(株式会社キャンプ社長)、秋沢さん(株式会社カノアクルー取締役)、鈴木さん(株式会社キャンプ副社長)
2026年9月25日、東京都三鷹市にあるカノアクルーのサロンで、乳がん治療後の身体と暮らしをテーマにしたメディア勉強会が開催されました。会場で繰り返し登場したのが「アピアランスケア」という言葉です。聞いたことはあっても、詳しくは分からない。そんな方も多いのではないでしょうか。
では、アピアランスケアとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。勉強会で伺ったお話とともに、乳がん治療後の生活を支える考え方や選択肢を紹介します。
そもそも「アピアランス」とは
アピアランスは、英語の appearance に由来する言葉で、外見や見た目、外観などを意味します。ビジネスの場では身だしなみを表すこともありますが、がん医療では、治療に伴う外見の変化と、その変化によって生まれる暮らしの困りごとを考えるときに使われています。
アピアランスケアが支えるもの
国立がん研究センターのがん情報サービスでは、アピアランスケアを、外見が変わっても安心して自分らしく生活を送れるよう支えるケアと説明しています*。医療者による支援だけでなく、本人や家族が情報を得ながら、毎日の暮らしに合う方法を探すことも含まれます。
たとえば、薬物療法や放射線治療による脱毛、皮膚や爪の変化、手術の傷あと、乳がん手術後の乳房の変化などが挙げられます。こうした変化は、見た目だけの問題ではありません。人前に出ることをためらったり、仕事や学校へ戻ることに不安を感じたり、買い物や旅行を楽しみにくくなったりすることもあります。
ただし、外見が変わったからといって、必ず何かをしなければならないわけではありません。本人が気にならなければ、そのまま過ごすことも大切な選択です。治療前の姿に戻すことだけを目指すのではなく、その人が心地よく過ごせる方法を一緒に考える。それがアピアランスケアの基本です。
*出典:国立がん研究センター がん情報サービス:
https://ganjoho.jp/public/support/appearance/index.html?utm_source=chatgpt.com
どのようなケアがあるのでしょうか
アピアランスケアには、さまざまな方法があります。脱毛にはウィッグや帽子、眉やまつ毛の変化にはメイク、皮膚や爪には日々のお手入れがあります。乳房切除後には、補整パッドや装着式人工乳房、乳房再建などの選択肢もあります。
特別な製品だけでなく、普段使っている化粧品や衣服が役立つこともあります。症状や傷の状態が気になるときは、無理に自分で判断せず、医師や看護師へ相談してみてください。
勉強会で語られた治療後の暮らし
今回の勉強会を主催したのは、装着式人工乳房「ルアナブレスト®」を提供する株式会社カノアクルーと、ブラなしで着れる洋服のブラレスウェア専門ブランド「no-bu」を展開する株式会社キャンプです。
勉強会には両社の担当者と乳がん経験者の女性が参加しました。
カノアクルー取締役の秋沢京子さんが中心となり、治療後に感じやすい困りごとやアピアランスケアの考え方、装着式人工乳房をはじめとする選択肢を紹介しました。

(左から)秋沢さん(株式会社カノアクルー取締役)、榊原さん(株式会社キャンプ代表)
乳がんについては、検診や早期発見の大切さを目にする機会が増えています。
一方で、手術や薬物療法を受けたあと、身体や暮らしにどのような変化が起こり、誰に相談できるのかは、まだ知られていないことも少なくありません。秋沢さんは、治療だけでなく、その先に続く毎日の生活にも目を向けてほしいと話します。
アピアランスケアは、国の第4期がん対策推進基本計画でも「がんとの共生」に関する取り組みの一つに位置づけられています*。治療を受けたあとも、自分らしく暮らしていくための支援が大切にされるようになっています。
*出典:厚生労働省『第4期がん対策推進基本計画について』:
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001522768.pdf
まだ十分に知られていないアピアランスケア
カノアクルーが協力し、サンケイリビング新聞社とリビングくらしHOW研究所が2023年に行った意識調査*には、全国の496人が回答しました。本人や身近な人が乳がんと診断された経験を持つ人が約6割いた一方で、「アピアランスケア」を初めて知った人と、聞いたことはあるものの詳しく知らない人を合わせると約9割に上りました。
パッドや乳房再建、装着式人工乳房、ウィッグ、メイクなど、治療後にはさまざまな選択肢があります。
しかし、そうした選択肢の存在を知らなければ、自分に合う方法を比較・検討することもできません。秋沢さんは、病気になってから慌てて探すのではなく、元気なときからこうした選択肢に触れられる機会が必要だと話しました。
*出典:リビングくらしHOW研究所:
https://www.kurashihow.co.jp/markets/16343/
経験者の声から見えてきたこと

勉強会に参加した乳がん経験者の女性からは、診断後、短期間のうちに治療予定が決まり、その間にウィッグなどを自分で準備した経験が語られました。乳房再建についても、治療を受けた病院では同時再建に対応していないことを治療開始後に知り、選択肢を十分に検討できなかったといいます。
ウィッグを選ぶ際にも、どの製品が自分に合うのか分からず、後に患者同士のつながりから別の選択肢を知りました。
装着式人工乳房についても、病院内で偶然情報を目にしたことがカノアクルーを知るきっかけでした。
治療の説明は受けられても、治療後の暮らしに必要な情報は、自分で探さなければならない場面が多かったそうです。
お話を聞いて感じたのは、選択肢の数だけでなく、必要なときにその情報へ出会えるかどうかも大切だということです。患者会や経験者同士のつながりは大きな支えになりますが、偶然だけに頼らず、医療機関や相談窓口、企業、メディアからも分かりやすく情報が届くことが望まれます。
アピアランスケアはどこに相談できる?

治療による外見の変化や対処法は、治療が始まる前から担当医や看護師へ相談できます。全国のがん診療連携拠点病院などにある「がん相談支援センター」でも相談でき、患者本人だけでなく家族や、その病院に通っていない人も利用できます。補整下着やウィッグなどへの助成制度を設ける自治体もあるため、市区町村の窓口やがん相談支援センターで最新情報を確認してください。
後編の記事も近日公開予定です。
会社概要
■株式会社カノアクルー
所在地: 東京都三鷹市
取締役:秋沢京子
設立:2019年12月
事業内容:ヘルスケア事業(装着式人工乳房・装着剤の販売)
スポーツ、健康、ボランティア活動に関わるコンサルタント事業
講演会・イベント開催事業
公式サイト:https://kanoacrew.co.jp/
問い合わせTEL:0120-907-657
■株式会社キャンプ
所在地: 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-12-16益本ビル2F
代表取締役:榊原 美歩
設立: 2023年8月
事業内容 : 商品企画・販売、イベント・ワークショップ企画・運営
no-bu公式サイト:https://no-bu.shop/
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