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【バービーさん特別インタビュー】
「ただ思うがままに咲いてほしい」 株式会社bloomestで描く、女性が自分に「YES」を出せる社会

フェムテックプレス編集部

2026.09.24 09:26

女性が心とからだについて正しく知り、自分らしい選択ができる社会に向けて、株式会社bloomest(ブルーメスト)を立ち上げたタレントのバービーさん。

なぜ今、個人としての発信から“会社”という形へ踏み出したのか。

そこには、これまで多くの女性たちの声に触れてきた経験と、娘の誕生をきっかけに芽生えた「行動できない人に、手を差し伸べたい」という想いがありました。

■行動できない人がいる。ただ当時の私は―

私が女性のからだについて一番最初に発信したのは、今から6年ほど前の2020年、YouTubeで生理用ナプキンやタンポンの使い方を動画にしたときでした。
なぜその動画を作ろうと思ったのかというと、テレビなどのマスメディアではなかなか扱われていないことだけど、女性にとってはとても身近なことだからです。
そして何より、これから生理を迎える子どもたちにとって、情報がとっても少ないという現状がありました。

私は『世界の果てまでイッテQ!』などに出演していて、お子さんたちにもたくさん見てもらっています。
その子たちが、からだのことで困っている様子というのは、あまり想像したくないなという思いがあったんです。

私自身は、女性のからだについて調べたり、試したり、実際に病院に行ったりすることへの抵抗がなく、他の人たちよりちょっとだけ経験値があったので、そういうことを私から発信できたらいいなと思って動画を作りました。

いざ発信してみると、「知らなかったよ」とか、「みんながこういう風に使ってるって知らなかった」といった声がたくさん届きました。
「私もちょっとタンポンを試してみようかな」というポジティブな声や、シングルファーザーのお父さんから「娘にこれを見せてあげたい」といった反響もありました。

その一方で、「わかってはいるけど、試すのが怖いよー」という声も届いてきたんです。
その過程で、頭ではわかっていても行動に移せない人が多いんだなということを知っていきました。

ただ当時は、みんなが個人個人で決断して、行動を起こすのがいいんじゃないかなと思っていたので、私が前に出てプッシュするというのはちょっと違うかなと感じていました。

■娘の誕生が背中を押した、「bloomest」設立の背景

そんな私の気持ちを大きく変えたのが、子どもが生まれたこと、そしてそれが「娘」だったことでした。
子どもを通して、人や社会を見るようになると、生きている人たちがとても尊いものだなと感じるようになってきたんです。

そして、「行動できない人がいることをわかっていたのに、手を差し伸べてこなかったな」と気づきました。
「もし私にできることがあるなら、これからは行動したほうがいい」と思い始めたんです。

bloomestという社名は、「咲く(bloom)」と最上級の「est」を掛け合わせた造語です。
咲き誇るでもなく、正しく咲くでもなく、ただ思うがままに咲いてほしい。

咲き方とか大きさって、人それぞれだと思うんです。
誰かから見た“正しい咲き方”ではなくて、自分なりの形で咲いてほしい。
その人なりの一番いい咲き方を経験してほしいという意味合いを込め、「bloomest」という社名にしました。

■東日本大震災での挫折。エンタメの可能性

私はずっと芸人をやってきて、エンタメの力ってすごいなっていうのを肌で感じてきました。
でも実は、東日本大震災は、私にとって芸能人としての最初の挫折のときだったんです。

「エンタメが何の役にも立たない」
「こういうときに、もっと物やサービスを通じて、直接的に人の役に立つことができたらよかったのに」と、そのときは本気で思いました。
震災時には、お笑いの力で人の役に立つことの難しさを感じ、すごく挫折感があったんです。

でも、ちょっと時間が経つにつれ、何の役にも立たないと思っていたお笑いや歌が、モノ以上にものすごくいい効果を発揮するというのも見てきました。


だから、私ができることって、そういうエンタメの力で人を勇気づけることかなと思ったんです。
エンタメの力で、誰かの背中を押すことができたらなと考えるようになりました。

これまでフェムテックやフェムケアのイベントに参加したり、情報を発信してきましたが、「意識やマインドがある人」と「意識していない人」の間に大きな乖離があるなと感じていました。

でも、エンタメの力を使えば、あまり意識をしていない方たちにも情報を届けることができると思ったんです。
困っているけど情報にたどり着かない人たちや、意識的ではないけれど何か変わりたいと思っていたり、何かモヤモヤを抱えている人たちに、私なりのエンタメの力でアプローチしていきたいと思っています。

■言葉にならないモヤモヤを形に。「エモコ」と世界観

bloomestの最初のプロジェクトとしてイベントを企画しましたが、今後は、そこに「bloomestランド」という世界観を持たせていきたいと思っています。
まるでbloomestの国にみんなが遊びに来たような、そんなイベントにしていきたいんです。

サイトに登場する「エモコ」というキャラクターも、まさにその「エモコたちの世界へようこそ」という感覚です。

エモコは女性の言葉にならないモヤモヤを表現したキャラクターです。
今後も、女性ホルモンを擬人化したキャラなのか、怒りや悲しさ、喜びを表現したようなキャラなのか、そういった仲間をどんどん作っていって、「ランド」という形の世界観づくりをしていけたらなと思っています。

■妊娠・出産〜女性が生きやすい社会へ

女性の健康やライフステージについて考えたとき、私にとって「妊娠・出産」が大きなテーマになってくるかなと思っています。

妊娠するのか、しないのか。
するとしたら、いつなのか。
仕事や、自分がやりたいこととどう向き合うのか。

自分のからだのことなんだけど、自分だけでは決定しづらかったり、社会から何らかの圧を感じたりすることもある。
今は仕事ややりたいことに打ち込みたい。でも、妊娠を考えると年齢も気になる。

妊娠・出産は自分の意思決定だったり、タイミングをコントロールすることができないということが、女性だけでなく、社会のネックかなと思っています。

そういったことも含めて、SRHR(Sexual and Reproductive Health and Rights/性と生殖に関する健康と権利)にどう向き合うか。
女性だけじゃなく、男性、社会全体も一緒に意識していけるようになったら、女性も生きやすくなるのかなと思ったりしています。

会社を立ち上げた背景にも繋がりますが、
「自分なんかが立ち上がってはいけないんじゃないか」
「自分で意思決定しちゃダメなんじゃないか」
と無意識に思い込んでいる女性たちが少なくないので、そういった思い込みを払拭できるような活動をbloomestでしていきたいです。

■横のつながりでエンパワーメントを

現在置かれている状況って、人によって本当にバラバラだと思うんです。
コミュニティによっては旧態依然としたところもあるだろうし、すごく先進的なところもある。

だから一概に「こうだ」とは言えないけど、今は昔よりも、女性が主張したり「こうしたい」と言えば、頑張れば通る・通りやすくなっている時代ではあると思うんです。
何か現状を変えたいという思いがあれば、頑張れる環境があるのかなと。

過去のエッセイで、私は「女性ばっかり料理を作るのはおかしいと思う」みたいなことを書いたとき、読者の方から
「よくぞ言ってくれた!」
「私は旦那には言えないけど、バービーちゃんが言ってくれた」
「もっともっと世間に大きい声で言っていってください。私はできないけど」
というコメントをいただきました。

確かに、私は人より大きい「マイク」を持っているのかもしれません。
だからといって、一人ひとりが何も言わなくていい理由にはならないかなとも思うところがあって。
自由と責任論じゃないですけど、「自分はやりたくないけど、誰かがやってくれたらいいな」っていう気持ちもわかるんだけど、現代は「自分で言っても大丈夫な時代だよ」と思うんです。

だから、ぜひご自身でも頑張っていただけたらと思いつつ、それが難しい方がいるのもわかっています。
だからこそ、私がエンタメの力でエンパワーメントするだけでなく、横の連携でのエンパワーメントもできると思うんです。
「みんなで一緒に頑張ろう」みたいな、そんな横のつながりも作れたらいいなと思っています。

■若い世代と専門家をつなぐ。そして、大きなフェスへ

私は専門家ではありません。
でも、女性のからだや性、健康について、高い熱量を持って活動している専門家がたくさんいることを知っています。

問題は、その専門家と、情報を必要としている人との接点が少ないことです。
その橋渡しをすることも、bloomestの使命かなと思っています。

具体的には、「ユースクリニック」のようなものを作れたらいいなと。
若者たちの性の悩みだったり、その年代ならではの悩みの受け皿となるような専門家へつなぐ活動です。
若い世代にとって、ライトな感覚で話しやすい環境があったらいいなと思うんです。

大きな目標として「女性向けの大型フェス」を掲げています。
この会社を立ち上げようと思ったきっかけの一つに、「個人で立ち上がっている起業家さんたちを応援したい」という気持ちがありました。

地方の企業さんや一人で立ち上がっている方で、すごくいい商品を作っているのにあまり知られていない起業家さんたちがたくさんいます。
会社の規模を問わず、そういった方々と連携を取り、業界全体を盛り上げていこうという機運を作りたいんです。

フェスを通じて、実際に商品を使う女性たちだけでなく、企業さんと企業さんがコミュニティを深める場所としても、うまく連携できたらいいなと思っています。

■過去の自分を救い、少子化にもアプローチしたい

この活動は、傍から見ると福祉的な色が強かったり、啓蒙活動のように見えるかもしれませんが、裏テーマ的に言うと「自分が困っていたこと、過去の自分を救えるような活動」なんだという気がしています。

大人になってからだと人はなかなか変われないけれど、若い子たちはいくらでも知識を吸収できます。
もし日本を変えようと思ったら、トップの人たちにアプローチするよりも、若い子たちに知識を持ってもらうのが一番じゃないかなと。
それが結果的に、私が懸念している「少子化」にアプローチできることなのかなと思ったりしています。

また、多様性が尊重されて「何でも否定されない世の中」はとても理想的ですが、もし今の若い子たちの間で「多数派であることが逆に恥ずかしい」みたいなノリが生まれているのだとしたら、「そんなことないよ」と伝えたいです。
逆張りではないですけど、家族がいること、子どもがいること、パートナーがいることって悪いことじゃない。
多数派だったとしても、普通の幸せはちゃんとあると思うよ、ということも伝えていきたいですね。

■自分にYESを出す。その一歩を一緒に

フェムテックプレスを読んでいる皆さんは、きっと感度が高く、何かを変えたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
専門家として取り組んでいる方もいれば、自分自身の生活や社会を少しでも良くしたいと思っている方もいると思います。

行動していれば、挫折することもあるかもしれません。
それでも、未来を信じていきたいですよね。

一人ですべてを変える必要はありません。
誰かとつながったり、誰かの言葉に背中を押されたりしながら、自分なりの一歩を踏み出していけばいい。

その人が、その人らしい形で咲いていくこと。
そして、自分の選択に「YES」と言えること。

bloomestが、そんな社会へ向かうきっかけの一つになれたらと思っています。

【会社概要】

社名:株式会社bloomest(読み:ブルーメスト)
所在地:東京都渋谷区神宮前3-27-19 WES原宿
代表取締役社長:バービー
代表取締役:吉田 正樹
設立日:2026年6月21日
ホームページ:https://lyset.jp/bloomest/

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