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話題の広告を次々生み出すクリエイティブディレクター 鍵は“顧客化接点の設計・実装”と“働き方改革”にあった
株式会社博報堂プロダクツ
2026.08.03 09:22
広告業界・映像業界において、映像演出と全体統括を兼任し、プロジェクトの最上流から現場の細部まで一気通貫で手掛けるクリエイター・小山奈緒美さん。小山さんは、CM・SNS・リアルイベントなど複数の顧客接点を設計・連動させ、 「認知 → 体験 → 行動」までの「統合的な接点実装」を実践するクリエイティブディレクターです。 年間を通じて数多くの競合プレゼンテーションを勝ち抜き、世の中を動かすアウトプットを生み出し続けた実績から、このたび博報堂プロダクツ内で新設された「個人賞」の初代受賞者に選出されました。小山さんは、有名外食ブランドや国内化粧品ブランドの販売促進など、現代のトレンドの真ん中にある話題の広告を一手に引き受けています。
さらに取り組みは、制作実績にとどまりません。ハードとされる映像業界特有の環境下において、自ら「働き方改革チーム」を立ち上げて精力的に活動。自身のウェルビーイングと高いパフォーマンスを両立させながら、後輩の女性クリエイターたちが継続して活躍できる環境を推進する、新時代のリーダー像を体現しています。
プロフィール&キャリアストーリー

小山 奈緒美 Koyama Naomi
■役職:Cube事業本部 クリエイティブディレクター 兼 チームリーダー
■出身地:愛知県名古屋市
■経歴:慶應義塾大学文学部社会学専攻を卒業後、博報堂プロダクツへ入社。プロモーション映像制作部で制作進行を5年近く経験。プランナー、ディレクター(WEBムービー、TVCMの企画・演出)を経て2022年にプロデューサー×クリエイティブディレクター一体型のクリエイティブユニット「ONE★PUNCH(現・Cube事業本部)」へ異動。現在はデジタル、イベント、映像を掛け合わせた統合的なプロモーションを手がける。
「コンテンツの力で誰かの人生を元気にしたい」と強く願い、エンターテインメントの世界を志す。「将来は東京に出てテレビや映画の道に進む」と決意し、高校や大学選びもそこから“逆算”して選択するという、強い意識を持っていました。高校では演劇の脚本・演出を担当。自分が作ったもので観客がわき、笑顔で帰っていく光景を目の当たりにしたことが、現在のクリエイティブディレクターとしての原体験となっています。
■ 主な担当案件
【外食ブランドの統合コミュニケーション】
従来のテレビCM単発の施策から、SNSやグラフィックと連動した年間コミュニケーションへ再設計。生活者との接触頻度と関係性を高めることで、継続的な来店・利用行動の創出につなげている。
【国内化粧品ブランドのプロモーション】
CM、SNS、グラフィック、WEBサイト、店頭体験など複数の接点を統合的に設計し、タレント起用による認知拡大からリアルイベントでの体験促進、購買行動へとつなげる一貫したコミュニケーションを実現。
このように小山さんは、単発の広告制作にとどまらず、顧客接点全体を設計・連動させることで、生活者の行動変化を生み出すプロモーションを実現しています。こうしたアプローチは個人のスキルにとどまらず、 博報堂プロダクツ全体として、顧客接点を横断的に設計・実装する体制の中で実現されています。 小山さんは、こうした顧客接点の設計・実装を高いレベルで継続するためには、持続可能な制作体制そのものの変革が不可欠であると考えています。
映像業界の「女性の仕事継続」を目指し、働き方改革チームを立ち上げる
≪女性が働く上での心と体、「当事者のリアルな痛みを可視化」する座談会を実施≫

小山さん・女性メンバー主催 映像業界の働き方改革 座談会の様子
映像業界は未だ女性管理職が極めて少ない世界です。小山さん自身、入社後は休日問わず「仕事=趣味」のようにのめり込み、がむしゃらに働くことで管理職となりました。 しかし、自身の身体を顧みずステップアップした経験から、「後輩には自分と同じような働き方をしてほしいとは思わない。男女問わず、仕事の関与度は自分で決めるべき」という課題感を抱くようになります。そこで、ライフイベントによる離職を防ぎ、キャリアの「道筋」を作るため、女性メンバーとともに「働き方改革チーム」を発足。座談会を中心に推進し始めました。
・第1回:他プロダクションのママプロデューサーやディレクターを招き、両立のリアルを聴く会。
・第2回:婦人科医師を招き、生理痛の悩みなど、過酷な現場における女性のウェルネスをプロの視点から学ぶ会。
・第3回:撮影・編集などの長時間労働に対するパパ・ママ社員の悩み、映像現場に特化したベビーシッター制度。
【Before:抱えていた映像業界の課題】
■体調やライフイベントによる離職
小山さん自身も深夜まで仕事が続くこともある過酷な制作進行を経験。自分の体調を顧みる余裕がなく、生理痛や体力的な限界、あるいは妊娠・出産といったライフイベントを機に、志半ばで業界を去っていく優秀な後輩(特に女性)を数多く目の当たりにしていました。
■男性管理職との意識のギャップ
男女の役割など、時代の価値観が残りがちな男性管理職層に対し、現場の女性たちが抱える「今日現場なのに生理痛が酷くてどうしよう」「深夜編集と子育てがどうしても両立できない」といったデリケートでリアルな困りごとや痛みが伝わりにくい状況がありました。
■「一線復帰」への高いハードル
映像ディレクターやプロデューサーは「自分が現場につきっきりにならないと回らない」という職種特有の縛りがあり、一度産休・育休などで一線を退くと、スキルがあっても第一線に復帰・継続することが困難な雰囲気がありました。
【After:取り組みによって生まれた変化】
■ニーズの具体化(映像業界特化型ベビーシッターの導入推進)
座談会での意見交換で終わらせず、参加メンバーが主体となって動きニーズを具体化。現在は映像系の事業本部において、現場特有の業務特性に対応したベビーシッター費用一部助成の導入を段階的に進めており、今後は全社展開も視野に、仕事と育児の両立支援に向けた取り組みを推進予定です。
■意識の変革と「痛みの可視化」
これまで表に出ていなかった「ママ社員が育休復帰後に本当に苦しんでいるリアルな実態」が社内で初めて可視化されました。男性管理職からも「何に悩んでいるのか分かった」「ただ『早く帰りなよ』と声をかけるだけでは解決しない苦しさが理解できた」という声が上がり、職場のコミュニケーションがフラットかつ本質的なものへ変わりました。
■女性管理職7名の誕生
出産後も現場で活躍する制作メンバーや、女性管理職の数が以前に比べて着実に増えています。
映像部署において、プロジェクト前の2022年4月には女性管理職は1名のみでしたが、2026年4月には7名まで増加。組織としての変化が起きています。
こうした取り組みは、単なる社内環境の改善にとどまらず、多様な視点を取り入れたアウトプットの質向上につながり、結果として顧客接点における表現力・実装力の強化にも寄与しています。
≪顧客化接点実装事業会社として、持続可能な組織へ≫
小山さんがこの働き方改革の先に見据えているのは、単なる「休みやすさ」の追求ではなく、女性特有の健康課題やライフイベントに伴うキャリアの壁を個人の問題にせず、組織全体の課題として捉える視点です。これらを推進することで、だれもがキャリアをあきらめることなく、それぞれの違いを大切にする、博報堂プロダクツのパーパスである「交ぜ合わせる。拡げ合う。」を体現していきたいと考えています。さらに、顧客化接点実装事業会社として、持続的に価値を生み出す仕組みづくりを目指しています。
ブランクからの「第一線復帰・活躍体制」の確立
一度一線を退いたらアシスタント業務等に回るのではなく、培ってきた職能(プロフェッショナル)を活かし、本人の希望に応じて再び元の職種で活躍できる復帰・継続体制の構築を目指します。ライフステージの変化に合わせた柔軟な働き方の選択や、それを支える職場環境の改善など、ハード・ソフト両面からのバックアップを目指します。
映像部から「全社・業界全体」への仕組みの拡大
この取り組みをきっかけに、他本部(営業やイベント等の部署)の女性社員からも「自分たちも参加したい」との声が殺到。女性の健康や働き方を組織で支える仕組みを、今後は博報堂プロダクツ全体、ひいてはクリエイティブ業界全体の仕組みを変える社会的なアクションへと繋げていくことを目標としています。
≪ 「女性だから」ではなく、フラットに個性を活かす意思決定層へ≫
広告の制作において、例えば「男は仕事、女は家庭」を連想させる内容など、時代の変化とともにマイナスイメージで話題になったこともありました。そのような内容は女性が現場に入ることで気付けたものもあったかもしれません。
しかし、今後の制作現場において、小山さんは「男性だから」「女性だから」という固定観念にとらわれず、若手や別職種のメンバーにも「これどう思う?」とフラットに意見を聞き、多様化する価値観に刺さる表現を追求していくことが大事だと話します。
2026年5月・社内表彰で初の個人賞を受賞した小山奈緒美さん
受賞理由:年間を通じて数多くの競合獲得から継続案件につなげ、世の中を動かすアウトプットを生み続けた実績を評価。演出視点と制作視点を兼ね備え、プロジェクトの川上から川下まで一気通貫で質実ともに足跡を残した一年。 社内活動では、働き方改革チームでの精力的な活動を含め自身のウェルビーイングと高いパフォーマンスを両立させる姿は博報堂プロダクツのパーパス「交ぜ合わせる。拡げ合う。」を体現している。
※関連記事はコーポレートサイトでも紹介しています。
https://www.h-products.co.jp/
【会社概要】
■会社名:株式会社博報堂プロダクツ
■本社所在地:〒135-8619 東京都江東区豊洲5-6-15 NBF豊洲ガーデンフロント
■代表者:代表取締役社長 橋本 昌和
■設立:2005年10月1日
■資本金:1億円[株式会社博報堂(100%出資)]
■事業内容:顧客化接点実装事業
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